NAO'S WAY

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いま気仙沼から、のぞむ


 「もう梅雨明けしたんでねぇの?」なんていう声もありますが、今日の夏空から一変、明日は梅雨空となりそうです。

 ホテルの部屋のテレビで夕方のニュースを見ながら、今この文章を書いている。キャスターの方が「おばんです」とお茶の間のわたしたちに呼びかけると、わたしも小さな声で「おばんです」なんてマネして答えてみたりしている。
 わたしは、ある仕事で気仙沼に来ている。
 気仙沼は初めて来る町だ。気仙沼に向かう時、正直かなり緊張していた。震災後、新聞やニュースで気仙沼のまちの様子をよく目にしていた。今は復興に向けて作業が進んでいるというのは聞いていたが、実際にその地に足を運ぶのは初めてだったので、一ノ関駅からの道中では気仙沼に近づくにつれドキドキは増していったのである。
 
 早速一日オフがあるということで、わたしは午前中からマネージャーさんと一緒に気仙沼の港から大島へと繋ぐフェリーに乗りに行った。各地で猛烈な暑さが続いているが、この気仙沼の地も日差しはじりじりと暑い。だが、フェリーに乗り甲板に出ると全身に受ける風は涼しいを越えてひんやりとしていて、火照った身体を冷ましてくれるほど。フェリーに併走するように飛ぶ数十羽のカモメたちが気分を盛り上げてくれる。そしてわたしは、フェリーから見える気仙沼に目を向けた。

 往復して戻り、わたしはホテル近くにあった「K-port」という、渡辺謙さんが作られたというカフェにお昼を食べに行った。大きな窓の解放感あふれる作りとなっていて、港を見ながらゆっくりと寛ぐことのできるスペースとなっていた。
 わたしが入ったのはお昼の12時ころ。お昼時ということもあり、賑わっていたがすぐに窓際の席に座ることができた。ご飯を軽く済ませ、コーヒーをいただき、人が多いのになんとなく居心地がよかったので読書を始めた。結局二時間半くらい滞在していたのだが、人は途切れることなくこのお店に集まってきて、楽しげな会話と笑い声が絶えることはなかった。

 フェリーから見る気仙沼の港。港に泊まる沢山の船。ところどころにある工事中の現場。それを囲む山々。目の前を飛ぶカモメたち。人々が集うカフェ。笑い声。気仙沼のまち。

 震災直後に留まって勝手に緊張していたのはわたしだけだということに気づき、恥ずかしくなった。このまちは確実に前に進んでいる、と強く感じた。“再生”へと。“新しいまちづくり”へと。
わたしは、震災前の気仙沼のまちを知らない。だから過去に想いを馳せることはできない。無責任な心配や気遣いをしてはならない。だからこそわたしは、今これからを見るべきなのかもしれない。

 今回短期間だけどこのまちを訪れてみて、魚は美味しいし空気や景色も気持ちいいし、純粋に好きだなと思った。
 そんなわたしが今出来るのは。明日の仕事の準備をしっかりする。
 そして、明日も晴れることを祈る。

BLOG LIST

COMMENT

  • 奈央ちゃんの旅日誌。気仙沼の情景が浮かんできて旅をしている気分になりました。イメージをしてそのまちにいくけれど、奈央ちゃんの文章を読んでいるといろいろ考えさせられました。そして前に進んでいる気仙沼に行きたくなりました。奈央ちゃん、気仙沼で美味しい魚を食べて、お仕事頑張ってくださいね!

    ヤマグチリュウヤさん

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  • なおちゃん気仙沼にいるんですね!
    私も気仙沼と聞くと少し緊張します。
    気仙沼のカフェ、私も今度行ってみたいです!♡なおちゃんお仕事頑張ってください(*^O^*)

    izumiさん

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  • お疲れ様です。気仙沼、震災あの強烈な映像が色濃く残る町、私も奈央ちゃん同様現地に足を運ぶとなればかなり緊張感すると思います。震災前の気仙沼から思い出すことそれは70年代後半のあるテレビ番組一般公募から誕生した”気仙沼ちゃん”ぽっちゃり系で田舎臭さが受け一世風靡しました。そして秋刀魚の水揚げが有名な事、今年も美味しい秋刀魚に期待!
    奈央ちゃん夏本番、楽しみつつ熱中症に気は付けお仕事がんばって下さい。作品楽しみにしています。

    ひいさん

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  • お久しぶりのオコメを拝読いたしますと、ひと段落で震災の町に、素敵なカフェを見つけ、多感な気持ちが伝わってきました。私よりゆとりを持って生きていらっしゃる。時間がゆったり流れてますねえ。月曜日が朝、水曜あたりが昼、金曜が夕方、土日は夜というのが私の生活時間感覚。従って一年は50日。光陰矢の如しを実感。なおさんはまだたっぷり時間が有って羨ましい。・・・ まんまこと、2回拝見。初回は後半にちょこっとだけでした。2回目はそこそこたっぷり。微妙な役柄ですねえ。しかし、幸せになれるのかなあ、と老爺心に思うわけであります。実際のなおさんではないのに。感情移入。江戸の町でもキラキラしとるのお。さすがあ。

    かんれきさん

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  • いやあ本当にいつも素晴らしい文書力で、引き込まれていってしまいます。
    いつも言っていますが、ぜひとも小説を書いて下さい。

    無責任な心配や気遣いをしてはならないというのは、ものすごく共感いたします。
    まわりが過敏に反応し過ぎで、実の当人はそんなに思っていないのに、逆にその人達に気を遣わせてたりとか。
    気遣う気持ちは非常に大切ですが、勝手な思い込み等にならないように注意しなくてはならないものです。

    藤野 貴志さん

    []

  • おばんですー
    情景を思い起こさせてくれる素敵な文章ありがとうございます☆

    大船渡に住んでいたことのある私も一関からの道中ドキドキしたのを覚えています。

    カフェでご飯をたべる・お土産を買う・温泉につかる
    何でも良いので三陸の方とふれあい少しお金を使ってもらえればそれで十分だと思います。街も人々も前を向いています(^^)

    私も自分にできることを積み重ねてゆきたいと思いました。

    aaltoさん

    []

  • その土地に行ったことがないと、どうしても震災のイメージが大きくなりますから、実際に行く事は大事だし、こういう風に伝えてくれるのもとても大事だと思います。

    さてさて、なんのお仕事でしょうか?
    報告待ってますね。

    M2さん

    []

  • …… ―――気仙沼の方々の頑張りと南沢さんの心掛けを見習いたいと思います。

    げじひとさん

    []

  • 人は留まらず前に…
    以前工場の移設に関わらせていただいたとき強く思いました。個人的に何もできていなかったし、その分その仕事だけでもって感じでした。復興はまだまだこれからですよね。

    つよしさん

    []

  • 奈央さんこんばんは!
    気仙沼は、行った事ないですけど観光マップなど見ると、とても自然豊で海が綺麗なところですね。
    お仕事での気仙沼滞在、楽しんでまた頑張ってください。

    先日の「まんまこと」第二話観ました。
    長い間、奈央さんが出演していたので嬉しかったです!
    いつも応援しています(^o^)

    ぺぺんさん

    []

  • お仕事お疲れ様です。
    気仙沼には私は行ったことはありませんが、私の以前勤めていた会社の上司だった人の実家があります。
    会社を辞める前に気仙沼のことをもっと聞いておけば良かったですね。
    翌日晴れることを祈る、ということは、雨天では拙いお仕事なのだとお察し致します。
    奈央さんのお仕事が上手く行きますように。

    白野弁十郎さん

    []

  • なんとなくの居心地のよさを感じて、読書の午後を過ごしたってことは、奈央ちゃんが気仙沼の今を素直に受け止めてたからだと、ぼくは思いますよ^^

    ふるほんあります♪さん

    []

  • お疲れ様です。

    人にはそれぞれ、与えられた使命があるのだと思います。

    そして各々がそれぞれの使命を全うすることで、
    この社会は成り立っている。

    もちろん、
    『弱者を助けたい、救いたい』という
    思いやりの気持ちは大切です。

    ただ、その気持ちを具現化するには、
    相応の『力』が不可欠ですよね。

    気力、体力、財力、、、。

    僕はあらゆる『力』を得て、弱者を助けたいです。

    ナオちゃんもナオちゃんのフィールドで、頑張って下さい。

    いつも応援してます。




    リノさん

    []

  • 人生とは難しいものですね。なかなか思い通りにいかないどころか災害もあれば、不幸もある。時は前に進むしかないのが、なんともやりきれないこともあります。何が言いたいのかよくわからない文章になってしまいました。すみません。

    シュウさん

    []

  • 福島や三陸海岸の失われたものの大きさは忘れられませんが、
    今も被災地は正面から取り組んでいるようです。
    そうした姿に接すると、申し訳なさや有難さなど感じます。

    「まんまこと」。良い話ですね。
    お寿ずは美しく可愛いくて、聡明だけど気が強く、母性も感じさせる娘です。
    奈央さんの演技は江戸の人情話しに、はまっているようでした。
    これまでリアルな影の表現で、独特な純文学的解釈など感じる事はありましたが、
    アイドル的演出では照れを感じる事が多い印象でした。
    僭越ですが一段と達者な女優になられたようです。
    ただ、舞台よりも映像では、実年齢が出やすいものと思います。
    観る側にとっても、今しか見れない演技と意識すると、
    なおさら、良い仕事をしているなぁと感じられます。

    白熊さん

    []

  • こんにちは。
    震災後一度も被災地行ったことないので、僕も奈央ちゃんと同じく被災地はひどいのかと思っていました。
    奈央ちゃんが、被災地の気仙沼の状況を報告してくれて、ありがたかったです。
    奈央ちゃんも忙しい身なので、お身体には気を付けて下さい。
    家族で応援しているので、ますますのご活躍期待しています。
    一生応援しています。

    太陽さん

    []

  • 奈央さん、こんばんは。奈央ちゃん、気仙沼は初めてだったんですか。でも過剰な心配をしてはならない、過剰な気遣いをしてはならないという奈央ちゃんの本当の意味での「優しさ」に感動!そんな感性、とても素敵です!!これからも全国行脚レポート、心待ちにしております。暑い夏、元気に乗りきりましょう!!

    狩野健一さん

    []

  • ん~。

     必然かー。

    あなた

     オモシロイ記事を書かれますな。

    また じっくり 読ませて  
               ください。

    陰陽師さん

    []

  • あの震災から4年が経ちましたね。甚大な被害を受けた被災地も確実に前に進んでいることを嬉しく思います。当たり前な生活を当たり前に過ごせることに感謝し、これからも頑張っていきましょう!

    さん

    []

  • 奈央さんもご覧になられたかもしれませんが、気仙沼の大島には
    「海はいのちの源
    波はいのちの輝き
    大島よ、
    永遠(とこしえ)に緑の真珠たれ」
    という気仙沼出身の水上 不二(みずかみ ふじ1904年 ― 1965年)碑文が残っています。詩人のまどみちおさんの盟友でもあり詩や児童書も書いていた水上さんは、長く東京小金井に暮らしましたが、故郷気仙沼をこよなく愛した方。いまから約60年前、昭和32年に詞を書いた地元の中学の校歌のことばにも、奈央さんが「今これからをみるべき」と記されたように故郷の子どもたちの豊かな未来を願う希望が表れています。

    「波に踊る太陽 かもめは雲と羽ばたく 太平洋 朝を呼ぶ風 この空 みどりの亀山 松の歴史
    創造ひとえに われら学ばん 大島中学 理想はるけし / 窓ににおう黒潮 しぶきは虹と噴きたつ 太平洋 岩に咲くゆり この空 世界のくぐなり 砂のリズム 友愛いよいよ われら磨かん 大島中学 生気は満ちたり / 沖に上がる歓声 電波は夢を織りなす 太平洋 星へとぶ魚 この空 真珠の灯台 海のしるべ 前進日に夜に われら励まん 大島中学 未来はてなし」:水上不二 大島中学校歌
    ※「くぐなり」=鳴き砂のあるくぐなり浜(十八鳴浜)のこと

    震災1か月後の2011.4.17.に

    【言葉は、つながっています。耳をすませば、たくさんのざわめきがやってきます。はるかに遠い昔の大地から、あるいは、目の前に広がる未来の水平線から。私たちは、現在を、過去を、これからを聞いています。目を凝らしてみます。私たちの声が、出会ったばかりの人を、懐かしい友だちを、大切な家族の顔を、優しく変えていきます。】

    と発信されたのは、同じ被災地である福島の詩人和合亮一さん。私も二年前にいくつかの被災地を回りましたが、ぜーんぜん知らない人達の中に入った時に、その人達と仲良くなるのに必要なのは、自分がどこの会社のどんな肩書きで、年収がいくらなのかじゃない。相手の思いやりを感じながら、自分も周りに心を配り、力を惜しまず一緒に体を動かして、いっぱい一緒に笑う事。優しい眼差しや優しい手を持っていること。

    暑い日が続きますが、
    【あしたは かならず / 晴れるに ちがいないなあ / あしたも わたしは / たしかに 生きるだろうなあ /
    あしたこそ/ なにかを みるかなあ / きっと そうであり/ そうに ちがいなく/ そうと 思いたい /
    そんなふうに眺められる / 夕焼けが あった】:「夕焼け」工藤直子

    ――――という工藤さん。日本語の「面白い」は「面が白し-明るい風景やものを見て、眼の前がぱっと開ける感覚。気分が晴れ晴れする。」から来ていますが、奈央さんも祈られているように、一日の終わりの美しい夕焼けに晴れ晴れとした明日を願えるように、充実した今日を毎日生きたいものです。

    kumasanさん

    []

  • 奈央さん、スタッフさん「NAO`S WAY」更新ありがとうございます!
    暑い日が続いていますがお変わりありませんか。
    お仕事で気仙沼に行かれているのですね。 どの様なお仕事なのかな~?
    気仙沼はまだ梅雨明けしていない様ですね。私もいずれ訪れたいなと思っております。
    読書好きの奈央さん、今どの様な本を読んでいるのでしょうか。
    それでは奈央さん、スタッフさん夏バテしないように気をつけて下さい!
    安心してください。私は「麦とホップ The gold」を飲んでいますので大丈夫です(笑)。
    48枚はシール集まりました~!なんとか96枚まで頑張ろうと思います!!


    逆境おやじさん

    []

  • 気仙沼で奈央さんがフェリーからの景色やカフェでの読書やおいしい食事を自然体で楽しんでいたとき、そしてお仕事に取り組まれておられたとき、奈央さんご自身も、前向きに歩んでいる気仙沼の活力の一部になってたのだと思いますよ。
    何より、気仙沼を好きになれたこと、とっても良かったですね!

    これから夏本番ですが、奈央さんも暑さに負けずに元気に頑張ってください!

    MIYAMOTO Kenさん

    []

  • そうですか 南沢さんのお話を聞いて、なんだか安心しました
    僕の心の中でも、被災地の方々が今も尚、大変な思いをしながら日々を過ごされているのかと思い、なにも出来ない自分に無力さを感じていたのですが、どうやらその心配は杞憂だったみたいですね でも、何も出来ないといってなにもしなかったら、もっとなにも出来ないと僕の好きなアニメでもその中のキャラクターが言っていたので、募金だけはさせていただいてます 僕も自分の今目の前にある事に真剣に向きあって、日々精進していきたいと思います 南沢さんも、あまり無理をなさらず、程々に頑張ってください 応援しています!

    クゼ・ヘイさん

    []

  • こんにちは!暑い日が続いていますが体調は大丈夫でしょうか?
    気仙沼は震災のイメージでいっぱいですが、しっかり前に進んでいるようでとても嬉しかったです。自分も被災地に行き、現地の人と話す機会がありましたが、みんな元気で、逆に元気をもらってしまいました。
    なんの仕事かわかりませんが、応援しています!

    ターゲットさん

    []

  • よそ者が今を生きている人がいることを確認するには現地に行かねばわからないことですよね。小説『書店ガール3』でもそういう描写が出て来ます。もちろん悲しい事があっただろうしあの日で止まってしまった物やことがらがあるのかもしれません、でもいつまでも止まっていられない。今を生きて行かなきゃ。あの日止まってしまった物達のために...。

    直樹さん

    []

  • 私も震災前の気仙沼を知らなずその後行った一人ですが、「知らないほうが過去と比較しなくて済む」とも言えますね、みんなが前へ進んで復興しているわけですから。

    こけももワインさん

    []

  • 三陸海岸はリアス式海岸で、その凹凸にそって道路がありました。車で走ると海をはさんで向こう側に通ってきた道、少し進みカ-ブを曲がると、また海をはさんでこれから行く道。山がはりだした海岸線にちぎり絵のように街が貼りついて、ひろがっていました。青い空、青い海、美しい記憶、、、。ところで奈央さん、どんこは食べましたか?

    都会の熊さん

    []

  • 奈央ちゃん!こんばんは。ブログ更新ありがとうございます。お仕事で、気仙沼に行かれてたんですねぇ…
    素敵な文章で、いつも読んでいて引き込まれます。
    あの日から もう4年なんですね…
    昨日の様に思い出します。自分はニュース映像でしか知らないので、実際に被災地を訪れた、奈央ちゃんの言葉から、大切な 何かに気付いた様に感じ、奈央ちゃんが言う様に 無責任な心配や気遣いは…本当に自分もそう思います。
    失った物は計り知れないけど、少しでも被災された方々の為に力になれたらって…改めて強く思いました。
    奈央ちゃん!ありがとうございます。

    暑い日が続いてますが 体に気を付けて益々のご活躍期待してます…


    笑顔の素敵な
    奈央ちゃん! 大好きです

    いつまでも奈央ちゃんと
    共に…

    小沼裕二さん

    []

  • お疲れ様です。この所チョットバタバタしている日々を過ごしていますが、まんまことを楽しみに頑張ってますW(`0`)W
    4年前のあの震災時、何とか微力でも尽くしたいと、気仙沼に5月と7月の2回、計10日間ボランティアとして瓦礫撤去等に汗を流しました。今、奈央ちゃんに、気仙沼の前に向かって進む現在を確認して頂き、万感の思いです(;_;)ありがとうm(._.)m

    粂山隆志さん

    []

  • 私も一昨年、気仙沼を訪ねました。慰霊法要の為に。
    その折は、気仙沼の他、陸前高田も尋ねましたが、話には聞いていたものの、震災復興の道すじの違いに驚かされました。

    陸前高田は、国策に従って、既成の市街地部分の建物・瓦礫を全て取り除き、市街地を盛土嵩上げ。樹脂で固めた一本松以外は、山肌まで一面茶色。人影はまばら。
    それに対して気仙沼は、波に打ち抜かれた港湾施設を補修して、逞しく、しなやかに息づいていたのを思い出します。

    震災直後は、坂の途中の市役所から先は泥と瓦礫・・・何とも言えない油臭い泥と建物の残骸が堆く積もって、そこから先、海辺の方向には特殊な装備でもないと行けない状態だったのが、一昨年は海にすっと出られ、バラックや、津波で穴の空いた箇所を補修して建物に人がおり、「高い防波堤をどうするか」の議論さかん、破損した造酒屋の文化財には「修理の予定」との看板がかかって、街の意地のようなものを感じたものでした。

    今年、気仙沼を訪れた同僚に聞けば、一層、市民意気軒昂で復興が進んで、中心の市街も再建頻りとのこと。歴史ある漁港の意地でしょうか。
    被災地の人々にとっては、訪問者が、過剰に、扈従のものを窺うような態度は不要なのでしょう。その辺りの雰囲気、街のひとの心意気が、活き活き、南沢さんの文章から伝わってきました。

    順智坊さん

    []

  • 追記
    あの地震は、都市の研究者としても、駆け出しの宗教者としてもいろいろ考えさせられるものがありました。東京ですら、歴史的建築・九段会館の問題や傷を負った建物の補修・建替の問題など、彼方此方に傷痕があります。
    その東京、90年前の関東大震災や70年前の大空襲の被害と復興の影響・文化的変容の衝撃は調べれば調べるほど物凄いものがあります。そして、知ると知らざるとにに関わらず、今の都市文化や環境にも影響を与えている。これは阪神大震災でも同じことです。

    三陸は、明治、昭和、チリ地震津波と、近代になってからも津波の洗礼を受け、また今度、千年に一度級の津波の害を受けた・・・宮古・大船渡・気仙沼くらいの規模の街から、田老や雄勝などの合併されてしまった規模の街まで、さまざまな苦労話を耳にするにつけ、災害と共に生きる覚悟、逞しさのようなものも感じる今日この頃です。
    そしてまた、これは日本人全体が忘れてはならないことです。
    寺田寅彦の「天災と国防」(1934年)は、今こそ読むべき随筆だと思います。

    馴智坊さん

    []

  • 継続は力なり 気仙沼の方々を含め東北の方前向きな気持ちに脱帽ですね

    錦糸町のコンさん

    []

  • 気仙沼を行く奈央さんの写真を見たくなりました^_^

    古都さん

    []

  • 気仙沼の賑わいは、震災が奪った日常の暮らしをまた作り上げるためにそれぞれの方が前向きに努力されている結果なのだと思います。私も勇気をいただきました。

    門前市を成すさん

    []

  • とろろちゃんのカキコを止ませていただき、エッセイ?ショートショート?ええ!今頃読んだ?ってえ?寸摩損。たぶんサイエンスゼロ50本は見たでしょう。お許しを。この方、利発で健康的だ、とだれもが思うでしょう。もうかなり女優としてもキャリアがあるんでしょうが、ゼロでのコメントは、純朴そのもの。キッチンの机で勉強してるとか、ああ学校で習ったとか。普通にそんな言葉が出てくる。自分を自分らしく素直に出せる方だと感心しきりでした。とろろちゃんなのですね。巻き舌。ふーん。落語、それも江戸の落語、べらんめい調。まんまこと、慕う人が床に伏したまま想いを胸に秘めながら、けなげにふるまう、お寿ず。それを際立たせる、又四郎。この役者さんもすごいですねえ。寝たままの姿で、あの声の演技。役者としてはあの姿でしか演じられない中にあの方の役者としての執念に近いものを感じずにはいられない。私にはお寿ずを想う気持ちがひしひしと伝わり、あの声が耳について離れません。死神がちらほら。それに負けまいとするお寿ず。周りの役者さんも、皆個性がありとにかく面白い。とろろちゃんも、もっともっと吸収してさらに飛躍を願う次第であります。

    かんれきさん

    []

  • 震災も、原発の話に押されて、それぞれ異なる被害の街の今は、なかなか想像するには難しく。なので、震災直後のTV映像そのまま、と言うのも良くわかります。
    気にしない訳にもいかず、さりとて気にし過ぎるのも、そこに暮らす人々の思いと重なり合う訳でもなく。
    出来れば隣人に接するように、境遇の違いを気にせずお付き合い出来ればいいですね(^o^)/

    泳ぐたいやきさん

    []

  • 奈央さん、スタッフさんこんにちは~。
    NAO`S MESSAGE更新ありがとうございます。今回は雲と向日葵のイラストですね。
    よく晴れた日の夏空は私も好きです。
    澄んだ青い空と、もこもこっとした入道雲。
    見ていてほんと綺麗だな~夏だな~と思います。只、今年はちょっと暑さがキツイですよね(笑)。
    そんな暑い中でのドラマの撮影、お疲れ様です!
    どの様なドラマなのでしょうか。
    熱中症にはお気をつけて水分補給はこまめにされて夏はよく食べて下さいね。
    それではドラマの情報が解禁になるのを楽しみに待っていま~す!

    逆境おやじさん

    []

  • 今日は(こんにちはではなく、きょう)とろろちゃんの、舞台の16回の通し稽古のエッセイを読ませていただきました。登場する場面が難しいとか。そうでしょうねえ、突然、空気の違うところに行くわけですから、だから事前に一人で芝居をして、準備する、なるほどなあ。いろいろ裏話お聞きしたいところですが、役者さんの営業秘密ですか。しかし、エッセイは役者のお話しとしても、面白いですね。周りの肩にも恵まれお仕事されてる。さらなる活躍を願う次第であります。
    しかも自然に素直に気持ちが表現されている。天性のものですねえ。いつも自然体。

    かんれきさん

    []

  • 奈央さんいつもお疲れ様です。私も、震災をマスメディアでしか
    知らない一人ですが、復興は、進みつつあるのですが、一部ではまだまだの所もあるようです。

    しかし、奈央さんの最後の言葉には共感しました。

    先ずは、自分の出来ることを確実にする。

    しかし、ボランティアの数も年々減ってきているようですし...

    まだまだ課題の残る東北地方だと思います。

    高野貴光さん

    []

  • 今日は、4月のとろろちゃんのカキコを拝読させていただきました。カドワカスについて。その前にサイエンスゼロの猫の遺伝子とまんまことの4回目。この4回目にカドワカスと言う語と、これにまつわる物語を見ました。私はオンデマンドで見ているので……。サイエンスゼロでは心理学を専攻されているとのことでした。また、カドワカスでは漢検1級の勉強をされている。ご多忙ななか、いろいろ勉強されて、あのキラキラしたお目目の底には海のように深い好奇心があるのだと思いました。まんまこと、ああ、とうとう亡くなった。しかし、今度は坊やがカドワカされて、大活躍。これからのとろろちゃんのご活躍が楽しみです。

    かんれきさん

    []

  • 私は、震災以前の三陸海岸で3年間を過ごし、新たに赴任したばかりの神戸で震災を経験しました。そして、長い年月を経てまさかの三陸海岸の津波でした。
    自分の住んでいたアパートも流され、呆然としました。
    複雑な気持ちで向かった三陸でしたが、そこにあったのは、震災の前も後も
    かわらない、住む人も空気もとても優しい素敵な町でした。
    是非、一人でも多くの方に訪れて頂き、あの壮大な景観とゆったりとした
    時間の流れの中に身を委ね、三陸の素敵な風を感じて欲しいなあと思います。

    神戸も長い時を要しましたが、元気に復興しました。
    三陸の皆さんも元気に頑張っておられるので、きっと新しい素敵な町を作っていかれることと思います。

    南沢さんにも私の「心の故郷」である三陸の素敵な風を感じて頂けたようで
    とても嬉しかったです。お仕事頑張って下さい。応援しております。

    hiroさん

    []

  • 追伸:
    かもめさん達は「かっぱえびせん」が大好物です。
    ご存知でしたか?今度かもめさん達に会った時は、空中に投げてみて下さい。
    華麗なダイブで見事にキャッチしてくれます。
    松島の遊覧船では「かもめのえさ」として遊覧船の中で売ってるくらいですから
    三陸に行かれる方は、是非、お試しあれ!!

    hiroさん

    []

  • サイエンスZEROの事
    これは科学番組と思いますが、
    リスクが説明されていなかったり、
    経済効果とか、日本発にこだわるとか、
    科学的ではない価値観が目立つ印象です。
    テレビの影響力は大きいから、
    啓蒙とか食レポ的要素は必要だろうけど、
    基本スタンスも大切と思います。

    でも営業仕事は、
    どちらかと言えば不器用なタイプの奈央さんには、
    役に立っているようです。
    ラストの笑顔も落ち着いて観れるようになってきました。
    舞台は空気を作る演技を学べるでしょうが、
    営業は空気を読んだり、アドリブを求められるものです。
    「まんまこと」は演出による出来の差があるけど、
    江戸風という作り事の美や滑稽さが特長です。
    気持ちから入る奈央さんには苦手な芝居、
    と思ったけれども、大人になってきた、
    という印象です。

    江戸風の粋は、背景に身分社会の不条理があります。
    おそらくは自分を騙して生きるしかなかったし、
    それを語り合うことも容易ではなかった時代です。
    たぶん、江戸に共感する現代人も、
    まだ歴史の途中にあるのだろう、
    と思わせる真実も隠れている、
    良い娯楽ドラマと思います。

    話しがそれますが、
    昔の文壇には、芸術のウソと真実について、
    露悪的に語ったり、権威と喧嘩する人がいました。
    無駄に命をかけていたと思います。
    現代文学の方がレベルは高いのでしょうが、
    文章に天才を感じることは少なくなりました。
    私の感受性の衰えかもしれないけど。

    白熊さん

    []

トックとコリン

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